恋と禁忌の述語論理

 

恋と禁忌の述語論理 (講談社文庫)

恋と禁忌の述語論理 (講談社文庫)

 

 最近もドラマ化等で話題の井上真偽のメフィスト賞受賞作。天才数学者が論理学を駆使して、既に解決した事件を「検証」する。

 

入れ替わり立ち替わり突飛な名探偵が現れて、事件を解決するものちに検証されると言う構造は最近よく見る多重解決ですがストーリーの仕組み上当初の解決が誤っているのはほぼ確実なので、推理のポイントとしてはどこが間違っているかを探ると言うことになります。

それを数理論理学を用いて検証していくということなんですが、書いてある数理論理学の説明が理解出来なかったせいでしょうけど、これ数理論理学関係なくない?

終盤の展開については作者の第二作と比べてもよく出来ていると思います。特に主人公の語る事件の詳細を100%信じる根拠みたいなのが素直に飲み込めるようになっているのは良いなとおもいました。